名はアンテ・ヴォジュノヴィック。
存在しないものを眺めるのに専念し、創作活動に人生を費やし、別の世界を築いたが、汗をかけば必ずしもインスピレーションが湧くというものではない。
世間から離れて、規準から外れて、異次元を求めて、理想的な将来や目標を考えずに、ただ我が道を行き、先入観もなく、守るべき立場もなく、即時をとらえる。

過ぎたること、常軌を逸すること、狂気との関連に惹かれ、特徴ないことに退屈し、いつでも世間の心配事について行けずに浮いているような気分で、原則に挑むことを愛し、世界の歩みとは関係なく、よもやま話の至らぬところより世紀の流れを諦視し、逸事に没頭することで普遍を見出し、美との調和をはかる。

神秘主義者なのか、取るに足らないものに勤しみ、孤独を愛することが厭世主義につながる危険を孕んでも、孤独こそが最高の同伴者であることに気づいた。中毒者のようなアーティストは、本質的な何かに餓えつづけ、成功、活動、継続によってしか満たされることを知らない。